ミソフォニアの理解がはかどる、シンプルな4つの大原則。問題を迷宮化させないための正しい認識。

ミソフォニアのことで日々たくさんの方からご相談を受けていますが、時々「微妙に話が噛み合わないな…」と思うことがあります。
同じ感覚を共有するミソフォニアの当事者なのに、話が通じないのはなぜなんだろう?と私なりによく考えてみました。
もしかしたら「特定の音⇒不快感」というミソフォニア反応のメカニズムを誤解しているか、そもそもの前提が伝わっていないのかもしれません。
(それは私に原因がありますね。理屈っぽくて、つい小難しく話してしまうので)
ミソフォニアを克服したいと考えている当事者の方へ、今一度念押ししてお伝えしておきたいことが4つあるので、ぜひご一読ください。
特定の音を出す人への「個人的な感情」は、ミソフォニア反応と無関係
こんな風に捉えてしまっている方はいないでしょうか?
これは大きな間違いで、あなたが「 心から大切だと」思っている人が出す音でも、反応する時は反応してしまいます。
音への不快感でイライラが続くと、「音を出す人が憎い」と錯覚してしまいそうになる感覚は分かりますが、 「特定の音に反応しているだけ」それが正確な事実です。
自分が音を出す相手に対して抱く好き嫌いと、ミソフォニアの不快症状は全くつながりがないんだと、正しい認識を持てるように徹底しましょう。
自分の性格と、ミソフォニアで感じるネガティブ感情も切り離して考える
あなたはこんなふうに考えていないでしょうか?断言します。全部間違いです。
もしもミソフォニアの感覚を持っていない人が、今からいきなりミソフォニアの不快感を感じるように変わったら、どうなると思いますか?
不快な音が発生するたびに、雪だるま式に積み上がっていく不快感の無限地獄。
客観的に考えて、意味のわからないイライラが絶え間なく続くような状況で、発狂しない人の方がすごいと思います。
猛烈な不快感の渦中にありながら、理性を保っていられるあなたは十分すごいです。
少なくとも、あなたが「短気だから」とか、「我慢が足りない」といった理由で、ミソフォニアの不快感を耐えられないわけではありません。
あなたが嫌だと感じる音を出す人への「個人的な感情」と同じく、性格の問題もミソフォニアとは切り離して考えるようにしましょう。
ミソフォニアのメカニズムは条件反射だから「考えてない」
「一般的な感情」を感じるメカニズム
こういうことがある。だから自分はこう考えて、こういう感情を感じる
ミソフォニア感情の条件反射
こういうこと(=特定の音)がある。だからこういう感情を感じる
要するに、ミソフォニアのネガティブ感情が出るプロセスでは「自分が考える」という過程が ショートカットされているのです。
自律神経脳(=トカゲ脳)で起こる条件反射とは、思考力の負担を減らして「効率化」を実現するための自動システム。
だからミソフォニア反応では、一般的な感情では当たり前のように存在する「思考」が抜け落ちています。
「ある特定の出来事」と「負の感情」この2つがトカゲ脳の勘違いでショートカットされてしまった状態が、ミソフォニア反応の正体です。
ミソフォニアの克服でやるべきことは「間違った条件反射の再学習」
ミソフォニアに「合理的な理由」があると信じ込んでいるからこそ、「感じるものはどうにもできない」という間違った結論へ陥ってしまいます。
問題の本質はもっとシンプルで、「特定の音⇒不快感」の条件反射を再学習させればいいだけです。
(「条件反射反応のリパターニング」と呼びます)
トカゲ脳はとても優秀なシステムなので、
と自分のトカゲ脳に繰り返し再認識をさせられれば、不必要な条件反射をすんなりと解除してくれます。
まとめ
- 個人的な感情と、ミソフォニアで感じる不快な感情を分けて考えること
- あなたが音の不快感を耐えられないのは、性格の問題ではない。勝手に出る負の感情とは切り離して考える
- ミソフォニア反応は「考えるプロセス」をショートカットした、条件反射回路
- トカゲ脳の勘違いが原因の条件反射は、再学習で解除できる
なぜ特別な条件反射が作られてしまうのか?という理由については、まだ明らかになっていません。
ですが、感情や意思の問題ではなく、条件反射の問題を変えれば良いんだとわかれば、やるべき事はまったく違ってくると思いませんか?
今回の記事を、あなたの腑に落ちるまで何度も何度も読み返して、あなたが今まで信じ込んでいた間違った認識を、書き換える手助けにしてみてくださいね。
ミソフォニアの不快感に対する、具体的な対処法をもっと知りたい方には、ミソフォニアの本をおすすめします。
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