こうなってしまったのは、誰のせい?

今回は、僕自身がミソフォニアを抱えて、若い頃からずっと抱えてきた疑問
どうしてこんな風になった?
について、僕なりの見解をお伝えしようと思います。
僕と同じ疑問を考えたことがあるミソフォニア当事者も、たくさんいると思いますので。
まず結論からお伝えすると、誰のせいでもありません。
単に「ある1つの不要な条件反射回路が作られてしまった」という、ただそれだけが事実です。
「不要な」というのは、あなたの「考え方」や「感情」には不要で、「トカゲ脳」にとっては必要だと判断されていることを意味します。
高校生くらいまでの僕は「自分の感覚が普通ではない」ということを、真正面から認めたくありませんでした。
なので、「家系に因縁でもあるんじゃないか?」とか、「両親の子供に生まれなければ、こんな風にはならなかったんじゃないの?」といった考え方で葛藤していました。
今の自分が、過去の自分にもしも何か言えるのであれば、こう伝えたいです。
遺伝は関係あるけれど、家系の因縁は関係ない。
両親はただ、自分が生まれてくることを祝福してくれていた。
ミソフォニアは「後天的に獲得したハンディキャップ」と言えるかもしれません。
だからといって「ミソフォニア=不幸な人生確定」と結論付けるのは、あまりに早合点すぎます。
早合点、そう、ミソフォニア当事者の人の相談を受けていると、早合点する人が多いというのは時折感じました。
客観的な分析をかけると、早合点する=「判断」と「決めつけ」の両方が早い、という要素抽出ができます。
しかし、できれば「自己理解」と「納得」の優先度も、もう少し上げていただきたいですね。
もちろんミソフォニアが、当事者に大きな試練を与えるのは確かです。
でもこの40年生きてきて、自分にとって意味のない試練と言うものも、ないんだなと感じます。
この「適当な理由をこじつけないと、説明がつかないように感じるイライラ」と自分が、どのように向き合うかを、ずっと試されてきたと思うんです。
あくまで結果論ですが、主観的な視点から抜け出せない限りは、イライラをなくすことはできないように感じます。
とは言え、意識的に視野を広げようとしない限りは視点の数も増えないので、自分にとっての幸せに向かって、より自発的に努力していくことが求められているのかもしれません。
実際のところ、おそらく自分たちは「条件反射を作りやすい資質持ち」だと思われます。
条件反射そのものには良いも悪いもないので、どれだけ心理学のテクニックで過去の原体験を掘ったところで、それほど意味はないんです。これも経験上。
もっと大事なのは「だから自分はどうしていく」と自分で決めて、判断していくことの方です。
タラレバの悔やみを何度繰り返したところで、幸せな未来はやってこないと思いますからね。
なので「今の自分がこうなっている」という事実に、善し悪しの判断を入れずに受け止めて、自分や他人や境遇、運命を責めるのは「ここで終りにする」と決めましょう。
まずは生産的な方向性に自分の考えを向けた方が、幸せが確実に近づいてくると思います。
少なくとも僕の経験上、自分がミソフォニアになったことを「何かのせい」にしようとし続けた時間は、不快感のリピート再生×時間のムダでしかありませんでした。
幸福度の高い人たちは「時間」を最も貴重なものとして扱う価値観を持っていますので、これは積極的にマネをしていけるといいですね。
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