ミソフォニアに苦しむ人が、日常生活で最も負担を強いられる症状は、理性で制御するのが困難なほど極端な負の感情です。
実際のところミソフォニアの症状は、あなたが想像する以上にバリエーションがあり、現在判明しているだけで25種類もあります。
ミソフォニアの症状をくわしく分析して大別すると、以下の3つです。
- 最も初期に起こる身体の反応・12種類
- 問題となる負の感情・13種類
- 感情に関連するストレス症状・17種類
今回はミソフォニアで起こる身体反応・感情・予後のストレス症状の具体的な内容について徹底的に解説します。ミソフォニア症状の内訳を正確に知ることが、症状改善へのファーストステップになります。
ミソフォニア症状で、感情よりも先に起こっている身体の反応12種類と3つの区分
アメリカで行われている研究では、ミソフォニア発症者の95%に感情だけではなく、身体的な症状があると判明しています。
いずれの状態も、ミソフォニアを発症している人は(瞬時に起こっている)身体の反応を自覚するのが難しいです。
ミソフォニアの12個ある身体反応は、3つに区分できます。
| 区分 | 症状 |
|---|---|
| 「力み」に関連する症状 | 全身の筋肉のこわばり |
| しかめっ面 | |
| 拳を握りしめる | |
| 歯を食いしばる | |
| 怯む・身をすくめる | |
| 内臓(不随意筋)の反応 | 吐き気 |
| 胃の収縮 | |
| 腸の収縮 | |
| 循環器・呼吸器に関する症状 | 胸の苦しさ・痛み |
| 動悸(バクバク) | |
| 自律神経に関する症状 | 発汗 |
| 寒気(ゾワッ) |
「力み」に関連する5つの症状
- 全身の筋肉のこわばり
- しかめっ面
- 拳を握りしめる
- 歯を食いしばる
- 怯む・身をすくめる
いずれもミソフォニア当事者は無意識のうちにしている行為で、筋肉を強く収縮させている行為です。脳はミソフォニア発症者が苦手とする音を「攻撃」と捉えて、耐える・身構える反応をしていることが伺えます。
私は小学生の頃からひどい肩こりに悩んでいましたが、ミソフォニアが原因で力んでいたことが後になって分かりました。
内臓(不随意筋)の3つの反応
- 吐き気
- 胃の収縮
- 腸の収縮
食道や胃腸の筋肉は自律神経でコントロールされており、自分の意志で思い通りに動かせない筋肉です。胃の不快感は、ジェットコースターで急下降する瞬間の感覚に似ています。
循環器・呼吸器に関する2つの症状
- 胸の苦しさ・痛み
- 動悸(バクバク)
胸の苦しさ・痛みを感じるミソフォニアの感覚は、口を閉じて鼻をつまんだ状態で思いきり息を吸おうとした時の感覚に似ていると表現されます。なんの前触れもなく急にこの感覚が何度もやってくると考えたら、誰しも平常心ではいられないかもしれません。
自律神経に関する2つの症状
- 発汗
- 寒気(ゾワッ)
発汗は自律神経が調節しているので、ミソフォニアの発症者は音を聞いた瞬間に自律神経が激しく乱れているのです。12種類いずれの身体的ミソフォニア症状においても、自分の思考力では制御できない反応であることが共通点です。
ミソフォニア症状で湧き出てくる、13種類のネガティブな感情と3つの区分
ミソフォニアの症状で発される感情は、どれも自ら好き好んで感じたくないような感情のオンパレードです。これらをさらに細分化すると、①攻撃的②ストレスフル③逃避的の3つに分けられます。
| 区分 | 感情 |
|---|---|
| 特に攻撃的な感情 | 怒り |
| 憎しみ | |
| 殺意 | |
| ストレスフルな感情 | うざい(鬱陶しい) |
| イライラ | |
| うんざり | |
| 焦り・ザワザワ感 | |
| 気持ち悪い・嫌悪感 | |
| 消極的かつ強い感情 | 強い不安 |
| 罪悪感 | |
| 切迫感 | |
| 存在否定されたようなショック | |
| 逃げたい・避けたい・拒絶 |
特に攻撃的な3つのネガティブ感情
- 怒り
- 憎しみ
- 殺意
ミソフォニア症状の恐ろしいところは、繰り返し「怒り」の感情を経験することで、脳の条件反射がさらに強まってしまうことです。最初は「耐えられないぐらい嫌」レベルだった感情が「怒り」「憎しみ」「殺意」へとエスカレートします。
ミソフォニア発症者本人は、自分の意思で「怒り」の感情を選んでいないので、あくまで自動的に強化されてしまった結果です。
ストレスフルな5つの感情
- うざい(鬱陶しい)
- イライラ
- うんざり
- 焦り・ザワザワ感
- 気持ち悪い・嫌悪感
ミソフォニア症状の特徴として、不快な感情に「慣れ」が生じません。不快な音を聞いた数と正しく同じ回数分の不快感を感じます。連続して発される音に耐えられないのは、「音への耐性をいっさい獲得できない」というミソフォニア症状特有の性質に起因します。
消極的かつ強い5つのネガティブ感情
- 強い不安
- 罪悪感
- 切迫感
- 存在否定されたようなショック
- 逃げたい・避けたい・拒絶
攻撃性はないものの、ミソフォニア当事者の自尊心や自信を粉々に粉砕してしまうネガティブな感情です。特に「罪悪感」はミソフォニア症状ならではの感覚で、音を聞いただけで、「聞いてはいけない話」を偶然聞いてしまった時のような後ろめたい気持ちになります。(全てのミソフォニアが罪悪感を感じるわけではありません)
ミソフォニア症状の後に起こる、17のストレス反応と5つの区分
雪だるま式に「音のストレス」が積みあがっていくミソフォニア。発症者の処理能力を超えたストレスは、心身への負担がはかり知れません。
ミソフォニアの感情反応の直後に起こる17のストレス反応を大別すると、5つに分けられます。
| 区分 | 反応 |
|---|---|
| 負の感情に対抗する行動 | 舌打ち |
| 悔し泣き | |
| やめてほしいと頼む・怒鳴る | |
| 矛盾がある行為への罪悪感 | |
| 特に暴力的な行動 | 自傷行為(頭をぶつける・何かを噛みしめる・爪を食い込ませるなど) |
| 物を破壊する | |
| 闘争(ケンカ) | |
| 自律神経の激しい乱れ | 手のひらの発汗 |
| 血圧や心拍数の上昇 | |
| 寝れない(睡眠障害) | |
| 身体的なストレス症状 | 頭痛・頭重 |
| 頭部・胸・全身の圧迫感 | |
| 筋肉がガチガチに凝る | |
| 耳鳴り | |
| 手足のワナワナするこわばり | |
| 精神的なストレス症状 | フラッシュバック |
| 自己否定・自信喪失 | |
| 息苦しさ・過呼吸 |
負の感情に対抗する4つの行動
- 舌打ち
- 悔し泣き
- やめてほしいと頼む・怒鳴る
- 矛盾がある行為への罪悪感
音への耐えがたい嫌悪感にあらがう行動です。理解されにくいミソフォニア当事者は、悔し泣きする人も多いことでしょう。
また、ミソフォニアの人は耐えきれずに「嫌な音を出さないでくれ」と訴えるとき、同時に奇妙な罪悪感を感じています。目の前で起こっている出来事の平凡さと、自分が相手に求めている要求の強さが釣り合わないことを、うっすらと理性で自覚しているからです。
特に暴力的な3つの行動
- 自傷行為(頭をぶつける・何かを噛みしめる・爪を食い込ませるなど)
- 物を破壊する
- 闘争(ケンカ)
ミソフォニア発症者はしばしば、やり場のないストレスの捌け口として、破壊的な行動に走ります。どのような行動を取るのかは、発された感情の違いと、本人の理性の強さによって変わります。
私は学生時代にイライラを抑えきれなかったとき、自分の頭を思い切りバシバシ叩いていました。これは自傷行為の一種だったと思います。
自律神経の激しい乱れ3つの症状
- 手のひらの発汗
- 血圧や心拍数の上昇
- 寝れない(睡眠障害)
私はこれらの症状すべてを経験しています。高校生の時に内科検診で聴診器を胸にあてられた際、校医さんから「なにか心配事とかある?心臓の音が普通じゃない」と言われたことが今でも記憶に残っています。
身体的な5つのストレス症状
- 頭痛・頭重
- 頭部・胸・全身の圧迫感
- 筋肉がガチガチに凝る
- 耳鳴り
- 手足のワナワナするこわばり
不快な音のストレスにさらされ続け、緊張状態が解けないことで身体に症状が出るケースです。私が高校生で心療内科・精神科に通院したときは、同じような症状で「心身症」「強迫性障害」「不安神経症」と診断されていました。当時はまだ「ミソフォニア」という言葉がなく、症状そのものも認識されていなかった20年以上前の話です。
精神的な3つのストレス症状
- フラッシュバック
- 自己否定・自信喪失
- 息苦しさ・過呼吸
「もうやめてくれ」という状況が許容値の限界を超えてしまったときに起こりうる重度のストレス状態です。ミソフォニアの多くは、不快感を限界ギリギリまで耐えて、音を出す人に「出さないでくれ」と頼んでトラブルになる…という経験を幾度となく繰り返します。
そうした体験が積み重なることで、「思い出すだけ」でこれらのストレス症状が何度でも蘇るようになることがあります。これはミソフォニアそのものではなく、二次的に形成された反応です。
まとめ
- ミソフォニアの不快な身体的反応には12種類あり、3つに大別される
- ミソフォニアで発される不快な感情は13種類あり、3つに大別される
- ミソフォニアを発症した人は、日常的に17種類・5区分のストレス症状を抱える
ミソフォニアの症状は多岐にわたります。これだけの反応が意志とは無関係に起きているということを、まず正確に理解することが、自分を責めるのをやめる第一歩になります。
もう少し深く知りたい方へ
最後に2つご紹介させてください。症状の全体像を理解した上で、この反応の仕組みと向き合い方を知るためのものです。
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