音への配慮をしてくれる人が身近にいても、思いやりのある人がうっかり不快な音を出してしまう「事故」は起こります。
わざとではないと分かっていても、気持ちが荒ぶってしまってどうにもならない——そんなとき、無理をしてでも守ってほしいのが「許せる自分」を投げ捨てないことです。
この記事では、ミソフォニア当事者が大切な協力者との信頼関係を失わないために守りたい3つのポイントをお伝えします。
①「許すマインドセット」を大事にすべき2つの理由
もしも「説明して分かってくれているはずなのに、どうして嫌な音を出すの?」と迷惑むき出しな反応をしてしまうと、いずれ数少ない貴重な協力者を失います。
音に配慮する側は、あなた以上に「怖い」気持ちを抱えている
自分自身の感覚にないことや、うまく想像すらできないことに対しては、誰しも漠然とした不安や恐怖を感じます。あなたの感情が急に変わって、どうすればいいか分からない協力者は、なおさら恐怖心を感じています。
ミソフォニア当事者が持ち続けたいのは「協力してくれる人は、私が突然怒る恐怖と常に向き合ってくれている」という意識です。相手の心労は計り知れません。「嫌な音を出された」ではなく「事故が起きてしまった」という捉え方に書き換えましょう。
「失敗体験の繰り返し」から抜け出す鍵になる
協力者が不快な音を出してしまったとき、あなたが「先に許す」スタンスを崩さないことが重要です。嫌な音を出した相手を責めたくなる気持ちを手放さない限り、「同じ失敗の繰り返し」という負のループはなくせないからです。
以下の2つの意識が根底にあれば、協力者を「責める」気持ちにはなりにくくなります。
- これは単なる不慮の事故だ
- 協力者が犠牲にしてくれた「気楽さ」を、自分は大切に扱う必要がある
まずあなた自身が気持ちを切り替える努力の姿勢を見せ続けること、そして協力者の思いやりに感謝を示すことが、相手への敬意の表し方です。
②不快な音への配慮は、最初から「具体的なお願い」にする
たとえば「咳」の音が気になっていて、協力者に配慮を求めたいとします。
「咳をするなら、口にタオルを当ててほしい」とお願いするよりも、最初からこのくらい具体的に伝える方が親切です。
「咳が出そうな時、できたらハンドタオルを4回畳んだくらいの厚みのもので口を覆ってほしい。間に合いそうにない時は、先に決めておいた合図で教えてほしい。そうしてくれたら、自分で耳を塞ぐから。」
後からダメ出しのように細かいことを次々と指摘されると、配慮しようとしている人はモチベーションを失います。想定できそうなことはあなたが先回りして考え、まとめて伝えられるよう準備しておくのが理想です。
それでもうまくいかなかった場合は、想定が甘かった部分があるということです。「本当に申し訳ないけれど」という気持ちとともに、追加事項をお願いしてみましょう。
③「許せない自分」を手放せば「思いやりの貯金」が積み上がる
音に配慮してもらった分、それ以上に「協力者自身が抱えている悩み」と真摯に向き合うスタンスも大切です。
家族・恋人・親友といった深い信頼関係は、損得勘定抜きの思いやりをキャッチボールすることで成り立っています。相手の失敗を責めず、協力してくれる親切心に感謝を持てれば、お互いの間に「思いやりの貯金」が作られていきます。
ミソフォニアの問題で人間関係に亀裂を入れるのか、信頼を深めるきっかけにするのかは、あなたの心持ち次第です。
まとめ
どんなに配慮を徹底してもらっても「事故」は避けられないことがあります。どれだけの理解者であっても、同じ感覚が完全に分かるわけではありません。
相手の失敗を責めることなく、親切心への感謝を伝え続ければ、根気よく協力してもらえる可能性が上がります。
たとえ内心がどれだけ不機嫌だとしても、「差し伸べられた助けの手を払いのけない意志」だけは、持ち続けてください。
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