不快な音を聞いてしまった後、気分の悪い感覚が何時間も続いてしまう——そういったご相談をいただくことがあります。
イライラしてしまった後は、できる限り早く元の状態に戻りたいですよね。この記事では、反応後に音楽が効果的な理由と、実際に気分の立ち直りに役立った音楽を紹介します。
なぜ反応後に音楽が効果的なのか
「気分転換になるから」というだけではありません。もう少し具体的な理由があります。
ミソフォニアの反応が起きた後は、身体的・心理的な硬直が残ります。この硬直をそのままにしておくと、強い疲労感が数時間続いたり、不快な思考が頭から離れにくくなります。
また、ひとたび反応が起きると、その後しばらくの間、無意識のうちに音を探し続ける状態になります。警戒が解けないまま無音環境が続くと、神経の緊張がさらに長引いてしまいます。
音楽は、この緊張を緩和し、不快な思考への侵入をブロックする助けになります。単なる気分転換ではなく、反応の余韻を不必要に長引かせないための手段として機能します。
状態によって使い分ける
反応後の状態に合わせて、音楽の選び方を変えるのがおすすめです。
不快な思考をブロックしたいとき
最近のポップス楽曲のように、歌詞と音符が多い曲が効果的です。情報量が多い音楽は、不快な思考が侵入する隙間を埋めてくれます。人の声入りの音楽は長時間続けると疲れることがありますが、別の感情へ誘導する目的であれば反応後に使うのは有効です。
繰り返し反応した後の疲弊を癒したいとき
高品質なヒーリング音楽が有効です。脳にかかった負担を癒すには、情報量が少なく、残響と間のある音楽が向いています。
おすすめのアーティストと楽曲
ダン・ギブソン(Dan Gibson)
カナダの写真家・音楽アーティストで、生涯で80枚以上のアルバムをリリースした膨大な作品数を持つ人物です。私が20年以上前に出会って以来、折に触れて聴き続けています。
「聴いている」という感覚があまりなく、なぜか「頭の中に入ってくる」と感じるのが特徴で、そこらの環境音楽とは一線を画すクオリティです。
ひとつ注意点があります。 ギブソンは2006年に他界しており、没後もプロジェクト名義で楽曲がリリースされ続けています。ただし、没後のプロジェクト楽曲は、正直に言って本人の作品と比べると脳への浸透率が低めです。
中には良いものもありますが、繰り返し聴いていると飽きてくるものもあります。おすすめするのはギブソン本人が手がけた作品で、以下に挙げる3曲もすべて本人の作品です。
Polynesian SPA 何の苦痛も存在しない、極楽のような音の世界に浸らせてくれる音楽です。嫌な気分になった時に幸福感を思い出せる、気分の良い時間帯にBGMとして流しておくのがおすすめです。
Natural Sleep inducement 睡眠に特化したサウンドです。長時間流していても全く邪魔にならないので、作業用のBGMとしても使えます。
Stress Free 波の音と一緒に、絶妙な不規則なリズムで耳に入ってくる旋律は、不快な音への執着心をいつのまにか手放せる感覚がありました。
エンヤ(Enya)
ケルト音楽の代表的な歌手で、日本国内でも長年にわたって人気のアーティストです。ヒーリングミュージックのカテゴリーに当てはまり、乱れた心をフラットに整える力があると感じています。
Book of Days 気持ちを積極的に持ち上げたい時に聴くのがおすすめの1曲です。幾重にも重なった透き通るような音が、ネガティブに落ちていく気持ちをじわじわと無理なく上げてくれます。
Flora’s Secret あまり無理に元気を出したくはないけれど、気持ちの立ち直りを早めたい時におすすめです。緩やかな変化を伴いながら続くメロディーが、重たく沈んでいた気持ちをいつのまにか軽くしてくれました。
So I Could Find My Way 誰の言葉も聞き入れたくないほど、気持ちが沈んでしまった時におすすめです。傷ついてしまった心にただ寄り添い続けてくれるような繊細な音色で、心の自然治癒力を引き出してくれる感覚があります。
中北利男(ピアノ)
極端に少ない音符数と、残響と間が心身をほぐしてくれるピアノ曲です。情報量が少ないため、反応後の疲弊した状態に向いています。
弦楽器全般(チェロ・バイオリン・ハープなど)
鍵盤を弾く音がないため、ピアノの音で眠れないタイプの方にはよくはまることがあります。当事者の状態にもよりますが、試してみる価値があります。
まとめ
反応後の音楽選びのポイントをまとめます。
- 不快な思考をブロックしたいなら、情報量の多いポップス系
- 疲弊を癒したいなら、残響と間のあるヒーリング系
- 長時間の人の声入り音楽は疲れることがあるので使い分ける
- 無音環境を続けると警戒が解けないため、何かしら音を流しておく方が回復しやすい
今回紹介した音楽があなたの好みに合うかは分かりませんが、気持ちの切り替えの助けになれば幸いです。
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