ミソフォニアの「音を出さないで」が通じない4つの理由。

ミソフォニアあるある

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「音を出さないで」って何度も頼んでいるのに、全然聞いてくれません。どうしたら言うことを聞いてもらえますか?
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ミソフォニアの人からは、この内容のご相談を頻繁にいただくのですが、聞き入れてもらうのは難しいと思います。

なぜなら「音を出すな」と頼まれた相手が、音を出してはいけない理由に納得しておらず、不満があるからです。

今回は、あなたが「ああ、そういうことなのか」と分かるまで、4つの理由を具体的に解説していきます。

ミソフォニアで「迷惑だから音を出すな」の頼み事が、相手にしてもらえない2つの理由

「この音を出さないで」のお願いは、つまりのところ交渉ごとのたぐいになります。

交渉は、両者にとってのメリットがないと成り立たないので、どうしても頼みたい場合は、釣り合う交換条件が必要です。

ミソフォニアの人がよく思う「迷惑だから、音を出してほしくない」が通用しない理由は、2つあります。

我慢のトレードオフに、相手が納得できないから

音への配慮を求めたくなる気持ちは、僕もミソフォニアだったので、もちろんよーくわかります。

だたし、「頼みごと」=「交渉の一種」なので、一方的でかつ、フェアだと思えないことを頼まれて、快く思う人はいるでしょうか?

「自分は同じ音を出すかもしれないけど、あなたは出さないでね」が通用しないことぐらいは、相手のことを考えれば想像できると思います。

音の禁止を要求された相手が「存在否定をされた」と思うから

ミソフォニアとおなじ感覚を持たない人からすると、こんな不満が、心の底にくすぶります。

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「誰だって我慢したり、割り切っていることぐらいあるよ。なのに、どうしてあなただけを特別扱いしなければいけないの?」

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客観的に見た場合でも

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「あなたの出すこの音がダメだから、出さないで欲しい」
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という要求は、受け取る相手によって、反感を買ってしまう可能性があります。

なぜなら、その伝え方は「あなたの出す声や音が嫌いだから、聞きたくない」と言っているのと、なんら変わらないからです。

少なくとも「自分の声が嫌いだ」と言われて、気持ちのいい人は誰もいませんよね。

とくに他人相手だと、単なる誹謗中傷になってしまうので、簡単に通るようなお願いではないんだと理解しておきましょう。

「ちょっとだけ、音を出してほしくないの」が全く理解されない2つの理由

相談を受けた人の中には、周りの人に「ちょっと」配慮してほしいだけなんだ、と訴える方もいました。

残念ながら、その「ちょっと」は受け入れてもらうのが難しいです。理由は2つあります。

「ちょっと」のモノサシが人によって千差万別だから

「ちょっと」や「かなり」の物差しは数値化することができず、そのうえ人それぞれで感じ方が全く違います。

あなたにとっての「ちょっと」と、音を禁止される相手にとっての「ちょっと」は、おそらく釣り合いません。

まず考えるべきは、相手にとっての「ちょっと」(=楽に許容できる範囲)が、実際どれくらいなのかをよく知ることからです。

「ずっと音を出さないで」の要求が、あまりに重すぎるから

ミソフォニアの人によく考えてほしいのは「音を出さないで」という要求に期限がないことです。

しかもそれが四六時中禁止だとなれば、難色を示す人の割合が一気に増えることでしょう。

相手は、家にいる間、もしくは会社にいる間など、生活の大部分を占める時間の中で、音を出さない我慢を強いられ続けるわけです。

無意識のうちに出てしまう音へ、エンドレスの禁止を要求されるのは、相手にとって「ちょっと」だと思いますか?

つまり、何の対価も受け取れない我慢は、受け入れてもらえないのが当たり前なんです。

まとめ

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  • 交渉が成立する条件は、相手にとってメリットがある内容であること
  • 「好き・嫌い」を引き合いに出して話すと、逆に恨みを買うリスクがある
  • 解釈の幅が広い「ちょっと」は、伝わらない。相手の目線寄りで考えること
  • 「ずっと音を出さない」に釣り合う交換条件はないので、納得は得られない

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言葉が悪くなってしまいますが、ミソフォニア当事者の相談を受けていて、よく思うのが「交渉が下手」だということです。

相手にとってのメリットが何もない?それは交渉になるわけがありません。

相手目線をもっと理解するためには、音を出す相手に対するリアルな想像力が必要です。

一方的な要求にならずに、相手にとってもメリットがある条件は、どんな条件かな?という視点で考えてみてくださいね。

うまくいく「交渉」について知りたい方には、ミソフォニアの本をおすすめします。

 

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