家族同士ですれ違いを起こす原因になる、2つの間違った思い込みと禁句

ミソフォニアの家族・パートナー向け

ミソフォニアは、当事者が向き合って反応をコントロールできるようになる必要があるタイプの問題です。そこで必ず必要になるのが、ご家族によるミソフォニアの理解です。

症状の捉え方や接し方が間違っていると、関係の修復に何十年もかかるほどの溝ができてしまうことがあります。この記事では、家庭不和に陥らないために知っておきたい内容をお伝えします。

家族一人一人の「価値観の情報源」が違う時代

人それぞれの価値観は、どんな情報源から何を得るかによって形成されていきます。今はひとつの家族であっても、一人一人の情報源はバラバラです。

たとえば60代以上の親世代は、テレビ・新聞・同世代のコミュニティが主な情報源です。40代の親世代はテレビや職場の話に加えて、YouTubeやSNSも使いこなしています。10〜20代の子どもたちは、TikTokやYouTubeショート・Xなどを日常的な情報源にしており、テレビをほとんど見ない人も少なくありません。

同じ家族であっても、それぞれが全く異なる情報環境の中で価値観を形成しています。「幸せ」や「普通」の感覚が一致しなくて当たり前の時代です。

家族間のすれ違いを起こす、2つの間違った思い込み

ミソフォニアは「当事者の性格」や「音を出す相手への気持ち」の問題ではなく、脳で起きている特殊な条件反射です。当事者も家族も、ミソフォニアという現象を正しく理解していないために、お互いに間違った思い込みを抱くことがあります。

当事者によくある思い込み:「家族のことが嫌いだからイライラする」

ミソフォニアの反応は、当事者の本心や気分とは無関係に、特定の音がすれば自動的に起きます。不快な音を繰り返し聞いていると、「嫌な音を出す人のことが嫌いだからイライラするんだ」という間違った思い込みを抱きがちです。

しかし、家族に対する個人的な感情とミソフォニアの反応には相関性がありません。相思相愛の恋人同士であっても、特定の音への不快反応は起きます。「自動的に反応する音がある」というのが正しい認識です。

家族によくある思い込み:「子どもは単なるわがまま・神経質」

ミソフォニアを発症した子どもが家族に伝えられる言葉は、「イライラする」「音を出さないで」といった主観的な要求だけです。自分がどういう状態になっているかが分からず、反射的に出てくる不快感を振り払いたい一心でそうなってしまいます。

「細かいことを気にするなぁ。神経質な子だ」「また何か文句を言っている」という受け止め方をしていると、問題は根深くなる一方です。

ミソフォニア当事者と家族の絆を壊す「禁句」

当事者が言ってはいけない言葉

「もう、やめてって言ってるでしょ!」「うるさいってば!」と感情に任せた文句をぶつけることです。不快な音を出す家族に悪意はないため、自分の感じている理不尽さを押し付ける形になってしまいます。

「短気だ」「反抗期がひどい」と誤解の連続を招くだけです。不快感の原因は条件反射であることを、忘れないようにしましょう。

家族が言ってはいけない言葉

「我慢しなさい!」「細かいことばかり気にして。あなただって音出してるでしょ!」といった無理解な命令の言葉です。

これらの言葉をミソフォニアの当事者に向けると、本人の感覚を全否定することになります。耐え難い苦痛を訴えた結果、親から全否定で返された子どもは、何年・何十年と心を閉ざして、二度と向き合ってくれなくなるかもしれません。

「お父さんとお母さんは、私が本当に耐えられないから『やめて』って言っているのに、『もっと我慢しろ』ってさらに突き放すんだね」

と子どもが受け取った時点で、親子の絆が取り返しのつかない形で傷つく可能性があります。

心の奥底から求めている「願い」は、家族も当事者も同じ

本来、家族であれば誰しもが「幸せな家庭」を願っています。ただ、価値観の情報源がバラバラな今の時代、家族一人一人が思い描く「幸せ」も異なります。

親世代は「自分たちにとっての幸せ」を子どもに押し付けないよう意識することが、関係を壊さないための土台になります。

まとめ

自分の意志と無関係に湧いてくるイライラは、知らず知らずのうちに「自分の意志だ」という捉え方にすり替わりやすいです。「自分の意志とは関係ない条件反射」というのが真実なので、その真実を置き去りにして誤解を深めないようにしましょう。

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