この記事は、ミソフォニア専門書籍の著者・Hazime(角谷滉一)が執筆しています。
Hazimeは自身もミソフォニアの当事者として長年この反応と向き合ってきた経験を持ち、
当事者の視点と書籍執筆を通じた研究をもとに、
ミソフォニアに関する情報を発信しています。
当サイトの診断テストはこれまでに延べ67,000人以上の方に受けていただいており、
多くの当事者の声も参考にしながら情報を整理しています。
現時点で明らかになっている事実に絞ってまとめました。
ミソフォニアの定義
特定の音を聞くことによって、非常に強い不快な感情を抱く反応のことが「ミソフォニア」と定義されています。
特定の音が原因になる不快な感情のなかでも、とりわけ問題になるのは理不尽さをともなう憎悪感情です。
ミソフォニア当事者は、黒板を引っかいた時の「ギーッ」という音で感じるゾワゾワ感とは、まったく違う感覚の不快感を訴えます。そして「自分が出す音は気にならない」「他人が出す音だけに反応する」人がほとんどで、ミソフォニアではない人がもっとも理解しづらく感じる特徴です。
ミソフォニアの語源
ミソフォニアとは、ラテン語で「嫌悪」を意味する「miso」と「音」を意味する「phonia」を組み合わせて作られた造語です。2001年に、アメリカの研究者によってこの言葉が作られました。
日本語では「音嫌悪症(おとけんおしょう)」もしくは「選択的音感受性症候群(せんたくてきおとかんじゅせいしょうこうぐん)」と呼ぶこともあります。
ひとことで説明すると、ミソフォニアとは何?
ミソフォニアは、正常な脳に備わっている機能のひとつ「条件反射」の一種です。
ミソフォニア研究が日本よりも進んでいるアメリカでは、当事者に対してMRIを使った脳の診断も行われています。ところが脳や脳神経の異常は認められず、むしろ神経伝達機能の良い、正常な脳だという結論が出ています。聴力についても、健常者との特徴的な違いは見受けられませんでした。
ミソフォニアの特徴——精神病ではないのか
HSPの傾向は強めですが、それを除けばいわゆる健常者と比較して、むしろ特徴的な違いがないのが最大の特徴です。
現在、ミソフォニアは医学界において精神病として正式に認められていません。職務遂行能力や学力、判断力・思考力など、いわゆる人間としての能力がミソフォニアではない人と変わらないことも、多くの当事者との対話から把握しています。
まとめると、ミソフォニア当事者は特定の音による深刻なストレスの悩みを抱えていますが、健常者と比較したとき、特徴的な違いは認められません。
ミソフォニアになっている人の割合・人数
日本では大規模な調査が実施されていないので、アメリカで行われた過去の調査データをもとに話します。
調査によって数字のバラつきは見られますが、対象者の10〜20%の確率でミソフォニアの傾向が見受けられました。これを日本の人口1億2,000万人に換算すると、およそ120万人〜240万人という割合でミソフォニアの人がいることになります。
当サイトのミソフォニア診断テストは、これまでに延べ67,000人以上の方に受けていただいています。決して大げさな数字ではないことが分かります。
ミソフォニアを発症する年齢
アメリカでの統計調査がベースになりますが、成人するまでに50%がミソフォニアを発症しています。とはいえ、50歳を過ぎてから症状を自覚・発見する人もいるので、どの年齢でもミソフォニアになる可能性はあります。
ミソフォニアの人が反応する音
「繰り返すタイプの音」だという特徴がありますが、当事者による個人差も大きく、じつにさまざまな音に対して反応します。「ダメだ」という人の割合が圧倒的に多いのは、食べる時に出る咀嚼音です。
ミソフォニアのきっかけとなる音については、別の記事に詳しくまとめています。
ミソフォニアと聴覚過敏の違い
「音に対して過敏な反応をする」という共通点のある、ミソフォニアと聴覚過敏。具体的な違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ミソフォニアとHSPの関係
ミソフォニア当事者のすべてがHSPではありませんが、ミソフォニアとHSPの関連性は強いです。ざっくり言うと、「HSP」という大きなカテゴリーの中に、重複するかたちで「ミソフォニア」も存在します。
まとめ
- ミソフォニアは特定の音への強い不快感・憎悪感情を特徴とする反応
- 脳や聴力に異常はなく、条件反射の一種として理解されている
- 精神病ではなく、健常者と能力的な違いは認められていない
- 日本人口の10〜20%、120万〜240万人に傾向があると推定される
- 成人前に50%が発症するが、どの年齢でも発症の可能性がある
ミソフォニアに関しては未だに不確かな情報が飛び交っています。現時点で明らかなことに絞り込んで理解しておくことが、自分の反応を正確に把握する第一歩になります。
もう少し深く知りたい方へ
最後に2つご紹介させてください。ミソフォニアの基本を理解した上で、この反応の仕組みと向き合い方を知るためのものです。
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